2011年4月2日土曜日

花見

花見の頃合いはもう少し先だけど自粛だ何だと騒々しいので、ここはひとつ参考まで。

岩波文庫の「武士道」を読み直した。
震災以降どういう心構えでいたら良いのかまとまらないのと、不謹慎や自粛というのが私ら日本人に備わった美徳にあるとするなら、と。すると、花見を推奨していた。以下、引用。

創造者自身馨(かんば)しき香りをかぎてその心に新たなる決心をなしたもうたと記されたるを見れば[創世記8の22]、桜花の匂う好季節が全国民をその小さき住家の外に呼び出すに何の不思議もないではないか。たとい彼らの手足が暫時労苦を忘れ、彼らの胸が悲哀を忘れても、これを咎めるな。短き快楽が終われば、彼らは新しき力と新しき決心とをもって日常の業に帰るのである。

都知事がどう言ったのか改めて調べてみると「痛みを分かち合って連帯感を」と言っていて、あまり擁護したくない人なんだけど、この点はわかる。で、これらを両立するものがちゃんとある。

陰膳
その場にいない人の無事、亡くなられた方の冥福を祈って食事を用意するもので、マンガ「蟲師」で読んだ人もいるかと。ちゃんとお膳を用意するのは大げさにしても、ここはひとつ、盃なり缶ビールなり奉げて乾杯としたい。