2012年6月20日水曜日

電力問題についての私の考え

経緯
Twitter あるいは Facebook でご覧頂いている方々は既にご存知と思われるが、「擬法第二番 カットアップ野田首相」を上演前後から、漠然としていた原発再稼働反対・脱原発の立場だったところへ1つのはっきりした指向性を得た。そのおかげで自分にとって初めて地に足を着けて物を考えることが出来るようになったのだが、残念ながら、Twitter や Facebook でよく目にする原発再稼働反対・脱原発の論点が的外れにしか感じられなくなってしまった。

主題
私がこの問題で最も重きを置くのは、経済活動である。悲しいことに、心中で批判している当局や推進派の新聞社が言っていることと大差なくなってしまう。しかし、ここは声を大にして言いたいのは、場当たり対応に隠蔽など繰り返し繰り出してくる人間が居座ったまま拙速に再稼働が行われる事には私も失望を感じている。しかし、電気料金の値上げに計画停電があれば製造業がダメージを受けて、被災者の補償が十分に行われていないところへ失業者増という共倒れが危惧される。つまりは、製造業を守るという点では再稼働もやむなしという政府発表と同じ結論に達してしまい、泣きたくなるほど口惜しい思いをしている。

切り分け
上記の通り不本意ながらもはっきりと考えがまとまったところで、Twitter や Facebook で盛んに出回っている脱原発・反再稼働の新聞記事やブログ記事に目を通して、大半が経済活動の事にまったく触れていないことに愕然とした。要するに、政府のやり方が不味い、電力会社は信用出来ないと声高に訴えているが、その訴えだけでは、ただでさえ円高や電気料金の値上げで体力を削がれている製造業にとって弱り目に祟り目なのだ。いくつか脱原発・反再稼働のデモ活動を発信しているサイトを見たが、賛同者に上がっている方々を見て、冷蔵庫の開け閉め回数を減らすとか、天井の蛍光灯の本数を半分に減らすとか、そういう次元でしか物を考えてないんじゃないかと心配になった。脱原発・反再稼働の立場で経済活動に向き合った論点は次の2点。

原子力発電がなくても電力は足りる
大量生産・大量消費からの脱却

前者は、自然エネルギーの供給は時間がかかるので中長期的なスパンで、元々水力と火力でまかなえるという論である。残念ながら「火力発電の老朽化と燃料費の高騰」で潰されている。後者は「それだ!」と思ったものの、大きな転換で、自然エネルギーへの置換と同じくらい持続的な活動を続けなければならないと思う。

現時点のまとめ
私がやれそうな事は、当局批判・電力会社批判は他人にまかせて、経済活動にも目を向けた意見を探して紹介すること、言葉にすることである。

擬法第二番 カットアップ野田首相

6月16日土曜日、しばてつさん主催の「近況vol.40」に出演した。 http://www4.plala.or.jp/soodemonai/kinkyo/kinkyo.html


今回は作品の説明をしたいと思う
演奏を構成するのは外見上 PC・トランペット・お茶犬である。お茶犬はリンクにある通りの懸賞品で、たまたま当たった。詳細は、Debian Linux で pd・Python・Perl・OpenJTalk の複合システムを立ち上げて、トランペットで鳴らした音程に従い野田首相の大飯発電所の再稼働を表明した会見のテキストを人工音声で読み上げるという物である。人工音声は FM トランスミッタでお茶犬のラジオから鳴らした。

平成24年6月8日野田内閣総理大臣記者会見
http://www.kantei.go.jp/jp/noda/statement/2012/0608.html

トランペットの演奏は最初と最後だけ決めてあって、中間は即興演奏を予定していた。実際には後述のトラブルですっ飛んで全部即興演奏にしてしまったが、それはともかく、野田首相の会見に「カットアップ(ウィリアム=S=バロウズ)」手法を施す目的は達成した。


本番、PCのトラブルで急遽出番を交代
トラブルについては迷惑をおかけしてしまった。原因は、当日はバッテリーで十分もつだろうとアダプターを接続しないで準備しておいたら、バッテリー駆動の時だけサスペンドに落ちてしまうのを失念しており、サスペンドからの復帰で何らかのプロセスが不具合を起こして OS の動作が不安定になってしまったのである。コンサート本番でリカバリの為に kill コマンドを叩く日が来るとはまったく予想していなかった。出番を最後にまわしてもらったことで電源オフからの立ち上げ直しで上演は果たした。