2013年9月15日日曜日

告知など

有り難いことに、人前で音を出す機会が増えております。

このブログの右に告知スペースを作って貼った通り、高円寺グッドマンのマスターが声をかけて下さって始まったデュオに最近「イノスボクス」と名付けて活動中。毎月1回、土日のどちらかで高円寺グッドマンで出演している。次回は次の通り。

10月6日(土)20時開演
2,200円(400円までのドリンク付き)
イノスボクス
冨田秀康g 照内央晴p デュオ

そして、11月に六本木Super Deluxeに出演が決定。こちらはなんと高円寺グッドマン以外では滅多に見られないキュノポリス(犬狼都市)との共演となっている。イノスボクスで組んでいる鎌田さんはキュノポリスのメンバーでもあり、キュノポリス+私と言えてしまうが、そこは大人の対応でどうかひとつ。そして、平日。出来れば有給休暇を取得したい。

11月7日(木)開演時刻未定
riunione dell'uccello #1 鳥の会議


私個人では、詳細未定なれど9月21日(土)に吉祥寺Fourth Floorのイベント「長月の今豚(Kong-Tong)」に声をかけて頂いたのと、あと阿佐ヶ谷Yellow Visionのフリーセッションに参加するつもりでいる。

かつては目黒Jammin'(最寄り都立大学駅)のセッションにも出ていたものの、やや遠くて日曜の夜というのがネックになっててご無沙汰中。即興演奏ワークショップ「ピアノアピ」(当時『2pf』)でご一緒したジャズピアニストの鶴巻有希子さんをお誘いしたことがあって嬉しいひとときだった。昨年出産なされたということもあり長らくお会いしていなかったのだが、今ブログを見たら10月にライブがある模様。足を運びたい。

あと、このブログでは事後報告になってしまったものの、高円寺マッチングモヲルでは電子音楽でライブに参加した。上記のライブでも自作の電子楽器やPCでプログラミングしたりしたりしているが、そういう電子音響オンリーで出たのは本当に久しぶりで、小さなテーブル1つのスペース縛りが功を奏して好評を頂いた。

そんなこんなでどうぞよろしくお願い致します。


2013年8月23日金曜日

ぐるっと回りこんで到達

最近「3月のライオン」というマンガが気に入っている。


今年の春、プロ棋士と最高峰のコンピュータープログラムが5対5で対戦した第二回電王戦が大きな盛り上がりを見せて、つい先日には第三回の開催決定が発表されたばかり。元来のプロ棋士同士の棋戦にしても、公式の解説がツイッターでリアルタイムに流れてきたりと、私としてはほそぼそと嗜んでいたのがドーン!と盛り上がっている。

取り沙汰される棋士の頭ん中。
アマチュアでも三段くらいのレベルになると、試合が終わった後でイチから駒を進められるという。更には、駒と盤がなくても互いに手を口で言うだけの試合も成り立つという。取った駒を使えるゲームにも関わらずである。見方によってはドン引きする能力ではないか。

一方で私はといえば。
近頃はフリーセッションに参加する場が増えて、その場その場でガッと出しきって燃えかすになっている。即興演奏なので何をやったかは大雑把には覚えていても、よほどうまくいったところでもないと後で事細かに思い出すことがない。
そしてここに結びついたのだが、そんな即興演奏の後では演奏した内容を紙に書こうと思ったら、白い紙にただ線をのたくらせて終わる。「あ、そういえばオクターブの跳躍したっけな」とか、キーがあればキーの線上をふらふらする線になるだろう。それを棋士に置き換えると、家に帰ってから五線譜の上に一音一音キッチリ並べる事が出来ることになる。
ただし、何も縛りがない即興演奏と違って将棋は勝つための論理に沿うので、ブルースとかスタンダードジャズの進行にのっとった即興演奏の楽譜を書ける、といったところだろうか。

コンピュータプログラミングや電子工作。
そう。対極と言ったら安直だが、コンピュータープログラミングに対しては初めから五線譜に一音一音置いていく作曲家、DTMで楽曲を構築していくトラックメイカーもこちらになるだろう。もっと直接的には、アルゴリズムを以ってして音楽を作るアルゴリズミックコンポジションはその最たるもの。

そして、稀にハイブリッドなパフォーマンスを見せる人がいる。

2013年6月19日水曜日

ワークショップ2題

今月、2つのワークショップに参加した。

1つめは即興演奏のワークショップ。名は「ピアノアピ」。元々は千野秀一・新井陽子の両氏が立ち上げたワークショップで、ピアノを2台使えるのが前提のもの。変遷があって、今では古参の参加者が運営を担って楽器や楽器でないものを持ち寄っての即興演奏ワークショップとなっている。1回で4時間、それを年に4回ほどのペースで、かれこれ5〜6年は続いているだろうか。楽器の演奏経験がなくても自由に参加出来て、上手いも下手もない、音そのものや音を介したコミュニケーションという好奇心を原動力に続いている。私が高円寺グッドマンで月イチのレギュラー出演をしているのも、このワークショップが2段ロケットの2段目の役割を果たしたのである。
ちなみに1段目は私が東京に転勤になって間もない頃に no protocol というユニットに参加してライブに出演した事なのだが、そのライブをきっかけに知り合った方がつい先日亡くなられた。長く疎遠だったものの一昨年くらいに SoundCloud に音楽が公開されているのを聞いて健在であることを喜んだというのに、残念極まりない。つくづく悔やまれる。

2つめは音響詩のワークショップ。足立智美氏が主催。
音響詩というのは言葉の持つ意味から逸脱して、言葉を構成している音をバラして組み直すなどの手法を用いた詩。一般的な詩の朗読のつもりでいると支離滅裂な声を聴くことになって面食らうが、とても面白くて知的好奇心を刺激されまくっている。しかし、なかなかお目にかかれない芸術で、Wikipedia では日本語の項目が無いなど知名度も低い。このワークショップも日本で開催されたのはこれが初ではないかとの事。6時間のうち前半の3時間が音源や映像を交えた座学で、後半の3時間は参加者が作成してパフォーマンスする時間となった。もうひとつ視覚詩という詩も存在して、こちらはレイアウトが解体・再構築される。

単に知識を集めるのであれば図書館へ行ってもよし、インターネットを利用するのもよし。それがワークショップになると現実に目の前で物事が進行して影響されるし、また、自分が動くことで他者の影響を目にすることにもなり、面白い。いかんせんこういう機会は都市部が恵まれているのは否めないけれど、興味がある分野で参加もしくは見学でも出来るチャンスがあれば足を運んでみるのをお薦めしたい。


2013年6月8日土曜日

人となり

前回どんな事を書いたか忘れるくらいに間を開けてしまった。
読み返してみて思い出した。書きたいと思ったことを書き出したら、一々調べて情報の確度を上げる事に疲れてしまったのだった。今回はもっと気楽に。

将棋でコンピュータとプロ棋士が対戦して一ヶ月が経過しただろうか。
盤上の勝負の行方から棋士の人間味へと話題は大きな拡がりを見せて大いに楽しめた。盤面だけ見てもチンプンカンプンだが、観戦記を読むと勝敗を決した一手の意味と、それが指された時の控え室などの様子が読めてとても面白い。その中に、電王戦ならでは、かつ、かなり画期的な場面じゃないかと思われるところがあった。プロ棋士やベテラン記者などの間に混じって、開発者の姿があったことである。こんな事は滅多に無いはずで、観戦記の中でも嬉々としている様子が見て取れる。

開発者の人間味。
はっきり言って、開発者の素顔なんてものはまったく知られていなかった。パソコン雑誌の記者やプログラミング入門の講師といった方々と違って、趣味にしては高度な専門知識を必要とする研究者といったポジション。そういった方々が作成したソフトが今回5本集まって、事前に対戦相手にソフトを貸し出すか否かでも考えが分かれていた。

伽藍に現れる個性。
ソフトウエア開発で有名な話に、「伽藍とバザール」がある。門外不出の技術で全部一手に作り上げる伽藍のような開発手法と、興味を持った人々が集まって思い思いに作り上げられるバザールのような開発手法。将棋プログラムは明らかに前者に属するもので、作り手の顔がはっきり見える。スーパーマーケットの野菜売り場で見かける「私が作りました」のようなものだ。それが将棋の癖にもなり、おそらくコードにも癖があるだろう。これがオープンソースによる共同開発だとそういう面白味が欠けてしまう。OSやブラウザなどの汎用的でクリティカルな分野では共同開発が好まれるが、こういったゲームなどの嗜好的なアプリケーションは共同開発に拘らなくても良いのではないか。私はオープンソースのアプリケーションを好んで利用するけれど、ソースの公開は良いとして、コミット権は必ずしも与えなくても良いと考えている。

     

2013年4月19日金曜日

人間対コンピュータに思うこと

第2回電王戦、最終戦が今度の土曜日。
コンピューターに興味を持つのと同時に真っ先に考える事といったらゲームである。弾道計算をはじめとした科学計算ではないところが掛け値なしの凡人である証明。ともかく、大半のアナログゲームは1人以上相手がいないと遊べないのだが、コンピューターがその相手を務めてくれるとなれば気兼ねなしに自分の気が済むまで遊べる。作り手から見ると、コンピューターにゲームをプレイさせるというのは多分に科学的なチャレンジで、研究目的としても恰好の題材になる。コンピューターゲームの歴史を調べてみると、三目並べが1952年に開発されている。

OXO


それから半世紀でチェスは完全に人間のトッププロと比肩した。それから約20年たって将棋がいよいよというところに来ている。ちなみにオセロ(リバーシ)は一般的なパソコンのスペックで動くプログラムで既に負けなしのようである。英語版Wikipediaによれば、1997年に村上健氏に勝って以降はコンピュータープログラム同士の対戦となっている。


Computer Othello
http://en.wikipedia.org/wiki/Computer_Othello#Milestones_in_Computer_Othello


ただし、村上健氏の対戦は何かと問題があったようである……


オセロプログラムと人間はどっちが強いのか?ロジステロとの戦い
http://uguisu.skr.jp/othello/7-2.html


事ここに至って思うのは、コンピュータに勝てなくなったからと言って、そのゲームの魅力が失われてしまうかどうか。悶々と考えてしまうのだが、これがどうもはっきりしない。何にはっきりしないのか苦労して掘り下げてみると、もともと相手を探す必要があったのをコンピュータで代用したのが始まりだったのが、いつの間にか「プロが負けるのか?遂に負けてしまうのかー!?」という別の価値基準に置き換わっているのではないかと思い当たった。プレイヤーと研究者の微妙なズレもあるように思う。もちろん、強いプレイヤーが強いソフトを望むのは至極真っ当な事なのだが、その視点から見れば手応えを求めていたら歯が立たなくなったという状況が生まれつつある。

おそらく将棋で言えばプロ棋士との対局では次回の第3回電王戦が最後になるのではと思う。でも、それがコンピュータ将棋そのものの最後かというとそうではなくて、強さではなくキャラ付けに未来があると思っている。

最後に面白かった本をご紹介。将棋のプロ棋士がコンピュータソフトと初めて公式で対戦した記録と、棋士というだけで個性的な方だらけなのにその中でも屈指の升田幸三の本。後者はビジネス書としても人気があるらしい。

   

2013年4月11日木曜日

かわいいプログラミングの組み合わせ

Twitterのbotを作った。

骨筋飛蝗ボット
https://twitter.com/YeeMyu_bot

time signal というのは時報のこと。ご覧の通り、毎時00分になるとwavファイルへのリンクを投稿するので、音が聴けるようになっている。鐘の音とは程遠い音だけれども。

今時botを作ろうと思ったらネット上でブラウザから必要事項を書き込むだけで高機能なbotが作れてしまうものだが、それらのbotがツイートするのは大抵定型文である。とはいえバカにできない代物で、TLに現れた語句に反応して返すといったことも出来るらしい。

実はbotを作るのは今回が初めてでなく、時分が回文の並びになるとツイートするというbotを作って動かしたことがある。例えば12時21分とか、23時32分とか。その時も今回も使用したのはPythonというプログラミング言語から利用出来るpython-twitterである。

python-twitter
http://code.google.com/p/python-twitter/

これを使えばほんの数行だけコードを書くだけでプログラムからTwitterに投稿が出来たり、TLやフォロワーなどを取得出来る。ほんの数行だけで……ほら、かわいい気がしないか?

……しないと思うけれども、せっかくなので。ともかく、これで簡単に自動的にツイートする仕組みは出来る。それだけで作ったのが前回の回文時刻だ。しかし、今回はPythonを柱にして、ChucKという音声用のプログラミング言語を呼び出して音声ファイルを作らせて、そのファイルをホームページ用のサーバーにFTP転送、それから前述の通りURLをツイートするという事を考えた。このうち、未経験なのはFTP転送の部分。これについてはPythonがインストールされていれば何も追加しなくても機能が使えるようになっていて、マニュアルを読んですぐに実装できた。音声ファイル作成のプログラムを呼び出して、FTP転送して、Twitterにツイートするまで20行ほどしか書かなかった。ほら、やっぱりかわいい。

最後に専門的なことを。
上記のpython-twitterだが、私の環境Debian Linux 6で上記のリンク先に書かれている手順で書かれている通りにならなかった。まずDownloadにあるtarファイルからのインストールでは、インストールは出来たっぽいがTestingで派手にエラーになる。それもそのはずで、存在することになっている「testdata」というディレクトリが存在しないから。
次にリポジトリからソースを直接取得する方法では、インストールがスタート直後にエラーで止まる。これは「README.md」というファイルが無いから。見ると「README」というファイルはあるので、コピーしてファイル名に「.md」を付け足して通した。Testingは一部エラーになる。その原因は、今度は「testdata」というディレクトリはあるものの、中のファイルが一部足りないからである。付き合ってられんのでそのままにした。今回の用途ではまったく影響なし。

肝心の音声についてなどまだまだ書けることはあるがここまでにしたい。以下、なりふり構わずAmazonアソシエイトのリンク。私が実際に購入したことがあり、今回の記事と関係がある本を挙げる。いわゆる動物本ばかり……

     

2013年4月7日日曜日

アナログゲームをやりたい

昭和50年生まれ、文科系に偏った趣味を持つ生涯……
いきなり何を言い出したかと言えば、ここ数日の間にかみさんが動画サイトのクトゥルフTRPGリプレイ風動画に大ハマりしている事に端を発する。書き出しにあるとおりの年齢である私にとって、「クトゥルフの呼び声」を最初に目にしたのはかれこれ20年くらいの昔、マイコンBASICマガジン誌面上である。


このころはTRPGで言えば「ソードワールド」が全盛期、「ロードス島戦記」のOVAなどもあってちょっとしたブームだったのを記憶している。ちなみに、「ロードス島戦記」は音楽を菅野よう子氏が手がけた最近のものではなく、萩田光雄氏によるもの。先ほどWikipediaを引いたら「シクラメンのかほり」の編曲でレコード大賞編曲賞を受賞とあって驚いた。リアル厨ニだった当時、友人からサントラを借りて大いに気に入り、別の友人からはピアノ譜を借りてYAMAHA PORTATONE PSR-210で練習したのを思い出す。今なら再習得中のトランペットとか稽古中の尺八でメロディーを演奏できるかも。

閑話休題。
どうやら「這いよれ! ニャル子さん (GA文庫)」がクトゥルフ神話に光を当て、ずっと下火だったTRPGに油を注いだ形になってかみさんの目に触れたようである。その煽りを食って、前述の通りベーマガでTRPGの記事を読んで以来は神話生物やSAN値といった周辺知識ばかり吸収していたところから脱却して、20年越しにH.P.ラヴクラフトの原作を読み出したところである。


失礼ながらTRPGについては、プレイヤーの世代が私と近くて、今までずっと続けてこられたか、まわりに一緒にプレイできる人がいなくてくすぶっていたのがインターネットの力を得てオンラインセッションを始めるといった経緯をたどった、ぶっちゃければ枯れた分野だと思っていた。ところが、ここ1〜2年でもっと若い世代にも認知されてきているようだ。めでたい!

もう一つの潮流。
ご多分に漏れず近くにTRPGをプレイできる友人がいなかった中高生時代が過ぎ、大学生になったころに流行り出したのが「マジック:ザ・ギャザリング 」。今でこそ様々なトレーディングカードが発売され、テレビゲームで有名な某メーカーが参入して一大ブームになった時には、「お金を刷っているようだ」と言わせるに至った不況知らずの分野であり、ゲームのシステムから販売形態まで丸ごとお手本となった黒船製品である。こちらはTRPGと違ってなんどかプレイした事があるのだが、つい先日Wikiサイトを見に行ったら、私が覚えた当時の用語が「廃語」にカテゴライズされていて泣けた。とはいえ、重厚なイラストと世界観が好みで、国産のアニメイラストにまったく馴染めないでいる私には、MtGが唯一の選択肢であることが変わらないでいる。
とはいえ、何も知らないまま保守的でいるのは良くないので、ブシロードの製品やプレシャスメモリーズと比較してみたところ、販売形態は言わずもがな、ゲームシステムも1ターンが複数のフェイズに分かれている点、基本ルールよりカードのテキストが優先されるアグレッシブなゲーム性などはそのまま引き継がれているものの、各々の世界観に合わせた細かいアレンジがきちんとしていて好感が持てた。ファイナルファンタジーもドラゴンクエストもシムシティーもみんなオンラインゲームになったけれども、アナログゲームもまだまだ捨てたものではなかった。


2013年2月16日土曜日

トランペットの練習のこと

 2月11日(月・祝)に、日本トランペット協会が主催するアンサンブルコンサート&フォーラムに参加して来た。第一部はトランペット・アンサンブルのグループがクラシックを演奏するコンサートで、第二部は日本トランペット協会の理事を務める先生方をパネリストに、観客の質問に答えていただけるというもの。テーマは「とっておきの上達の方法」。かれこれ20年も頭打ちが続いている私にとって願っても無いテーマにして、船頭多くないか?という一抹の不安を頭にこびりつかせて出かけた次第である。

 結果から言えば、参加して良かった。と同時に、不安が的中する場面もあった。「ロングトーンで音を整える」「リップスラーで鍛える」「タンギングの練習をする」といった大きな括りは間違いないが、もうひと押しになる微妙なところにギャップがある。それはもうトランペットに限らず主に管楽器の練習につきまとう宿命で、インターネットや本など他のメディアにしても最終的には「自分に合った奏法を見つけましょう」がキメ台詞である。傾向としては「こうしましょう」というアドバイスより「こうしてはいけない」というアドバイスの方が統一されているような気がする。

 私から言える事といったら、まず悪いところに気がつく必要があって、次にそれを放置しない事。活字にすると当たり前すぎて赤面ものだけれど、どうだろう。私の場合、教則本に載っている32小節ほどの練習曲は吹けているつもりだったのだが、実は楽器をかまえて最初の1音をかなりの確率でパスッと外す。いかんいかん、と思ってそのまま続きを吹きつづけるか、すぐに吹き直す。すると、直っている。ところが本番はそうはいかない。わざと時間を置いて1音を出す練習が要るのである。私は尺八も習っているのだが、トランペットで放置していた部分が尺八にも出て最初の1音を外すので、先生から「一度口から離して、それから吹き始める練習を」と言われている。悪い点を放置するのは、それがちょっとした事でも怖いことなのだ。

2013年2月10日日曜日

懐中ツール

 先日のブログ更新で、最後に「かわいいプログラミング」に触れた。今回はその事について掘り下げようと思う。専門的な内容になる恐れがあるけれど、なるべく柔らかい物腰で書き進めたい。

 まず近年脚光を浴びたのが、ニンテンドー DSiでリリースされた「プチコン」である。簡単に説明すると、WindowsやMacが普及し始めるより何年も昔、もちろんインターネットなんて無い時代のパソコンで一般的だったプログラミング(特にゲーム用途)の雰囲気をこれでもかと盛り込んだプログラミング用のソフト。去年「プチコンmkII」になって大幅に機能が拡張された。残念ながら私は家庭用ゲーム機を所有していないので実機に触れたことが無いが、初代から遊び心が溢れ出まくっており、スタッフのたぎる想いを目一杯詰め込んだ渾身の商品であろう。公式サイトのみならず、他の情報ソースからも伝わってきている。

 続いては音楽の分野が発端。プチコンと同じくニンテンドーDSiでリリースされた、アナログシンセサイザーを模した音楽作りが楽しめる「DS-10」。動画サイトでも人気となり、その後も往年のシンセサイザーをiPhone/iPad上に再現してきた実績を誇るDETUNE社の商品である。その会社が今年満を持してリリースしたのは、なんとポケットコンピューターを再現する「DPC-100」である。ポケットコンピューターとは今や絶滅危惧種で、SHARPが教育機関向けに1機種「PC-G850VS」をリリースしているのみ。初めから数々の数式を内蔵した関数電卓と違い、自らプログラミングすることで機能を増やすことが出来る点が最大の特徴となっている。機能と書いたが、ゲームもその1つ。というかメイン。最盛期には複数の機種にわたって雑誌にゲームプログラムが掲載された。なお、このアプリについても私はiPhoneやiPadを持ち合わせておらず、実機に触れたことが無い。

 そんなニンテンドーDSiもiPhone/iPadも持っていない私が手にしているのはAndroidのスマートフォン。iOS製品と異なりいろいろユルいと言われてきているAndroidのアプリに、単体でプログラミングが可能なものがある。その中で私が最高だと感じているのが「C4droid」(有料)。Androidのスマホ単体でC言語のプログラムを書いて実行することが可能で、別途プラグインを追加すると、サンプルにテトリスや「DOSBox」が付いてくる。実のところ画面が小さいスマホではタッチ式のキーボードで入力するのが辛そうだが、私はわざわざキーボード内蔵の機種を選んだのでだいぶ快適に使えている。

 なぜこんなソフトウエアが飽きもせずリリースされるのか。そこに懐古趣味があるのは当然否定できないけれども、必ず実用性が伴っている点が重要だと思う。ここで言う実用性というのは、例えばインターネットに接続して聞きたい音楽をダウンロード出来るとかいった現実的な実用性とちょっと違う。アプリストアに出回っている立派な物は無理にしても、そういう単機能のアプリではなく何にでもなり得る可能性を秘めたツールといった物。それで作って出来た物を利用することが目的だけれど、作ること自体もまた楽しい目的となる(万人には伝わらない)のが良いじゃないか!と思っている。特にプログラミング言語Cという奴はあらゆるコンピュータで使いまわしが出来るところが強みで、今日の半日は、まずメインのPCで書いて動くのを確認して、そのプログラムをスマホに転送したらそのまま動いたので喜びにうち震えていたのである。今後、スマホだけでプチプチとプログラムを書いても同じように動くのだ。

2013年1月26日土曜日

2013年(平成25年)になりました

昨年度中は大変お世話になりました。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。 

 半年ぶりの更新となってしまった。何故こうも間が開いてしまったかと言えば、PCを起動する回数が減ったの一言に尽きる。PCで作業をしていれば何かのついでに更新するのだが、そもそもPCで作業することが減ってしまったのである。もちろんスマホ(XPERIA Pro)と、特に昨年10月ごろからタブレット(REGZA Tablet T-100)のせいである。コンピュータでやることの大半はインターネットの閲覧とメール、特にTwitterといったSNSの利用で、それらがスマホやタブレットでこなせてしまう。ならばブログ更新もスマホでやれば?とお思いかもしれないが、いくらハードキー付きのXPERIA Proとはいえ長文の入力はなかなかに厳しい。それでこの体たらくである。

 11月から高円寺グッドマンで、マスターの鎌田雄一氏と即興演奏のライブをレギュラーで務めるようになった。それまではしばてつ氏の「近況」に声をかけていただいて出演していたのが、高円寺グッドマンで毎月の出演。鎌田氏のアルトサックスと私のトランペットを軸にして、くすぐりでPCや自作の電子楽器など準備して毎回異なる趣向で上演するように心がけている。

第一回


第二回


 さて、話が冒頭の「PCを使わなくなった」という点と関係してくる。この高円寺グッドマンの即興演奏ではPCを使って音を出している場面がある。PCで音楽を作っているのなら冒頭で書かれている事と矛盾しそうなものだが、このPC、MS WindowsやApple OSXなどではなく、マウスで操作するGUIをインストール時に省いて仕込んだLinux(Slackware 14.0)である。スペックはPentiumIII800MHzにメモリは確か512MB、発売されたのは2002年というIBM ThinkPad s30iという代物だ。無線LANでインターネットに接続出来るが、日本語の入力と表示も省いているので、ブログの更新はおろか普通にホームページを見たりメールのやりとりは出来ない。つまり、ちょっとしたプログラミングと音楽用に調教調整したPCとなっている。私は「愛すべきスカムPC」と呼んでいる。

 今年はこの愛すべきスカムPCで「かわいいプログラミング」を心がけたいと考えている。以下はFacebookに投稿した文章。

以前から、コンピュータプログラミングは本来かわいいものである、という思いがある。色番号を1つずつ変えながら文字を表示していくとか、目玉焼きの絵を描くとか、昔は簡単に書けたプログラムが、今ではそう簡単には書けない。恐らく似た思いを抱いているのであろうプログラマがWindows環境でN88-BASICを再現するようなソフトを公開したり、PCではなくニンテンドーDSiでリリースされたプチコンは衝撃をもって迎えられた。つい先日はiOSでポケットコンピュータを再現したアプリがリリースされたばかりでもある。今年、かわいいコンピュータプログラミングがじわっと盛り上がるといいな、と期待している。

何かしらの成果は高円寺グッドマンのライブやネット上で公開したいと思う。どうぞよろしく。

──── 訂正 ────
うちのIBM ThinkPad s30 のスペックに誤りがありましたので訂正します。
CPU:PentiumIII 600MHz
メモリ:256MB

普段使っているPCのスペックを把握出来ていないことを露呈。