2013年2月16日土曜日

トランペットの練習のこと

 2月11日(月・祝)に、日本トランペット協会が主催するアンサンブルコンサート&フォーラムに参加して来た。第一部はトランペット・アンサンブルのグループがクラシックを演奏するコンサートで、第二部は日本トランペット協会の理事を務める先生方をパネリストに、観客の質問に答えていただけるというもの。テーマは「とっておきの上達の方法」。かれこれ20年も頭打ちが続いている私にとって願っても無いテーマにして、船頭多くないか?という一抹の不安を頭にこびりつかせて出かけた次第である。

 結果から言えば、参加して良かった。と同時に、不安が的中する場面もあった。「ロングトーンで音を整える」「リップスラーで鍛える」「タンギングの練習をする」といった大きな括りは間違いないが、もうひと押しになる微妙なところにギャップがある。それはもうトランペットに限らず主に管楽器の練習につきまとう宿命で、インターネットや本など他のメディアにしても最終的には「自分に合った奏法を見つけましょう」がキメ台詞である。傾向としては「こうしましょう」というアドバイスより「こうしてはいけない」というアドバイスの方が統一されているような気がする。

 私から言える事といったら、まず悪いところに気がつく必要があって、次にそれを放置しない事。活字にすると当たり前すぎて赤面ものだけれど、どうだろう。私の場合、教則本に載っている32小節ほどの練習曲は吹けているつもりだったのだが、実は楽器をかまえて最初の1音をかなりの確率でパスッと外す。いかんいかん、と思ってそのまま続きを吹きつづけるか、すぐに吹き直す。すると、直っている。ところが本番はそうはいかない。わざと時間を置いて1音を出す練習が要るのである。私は尺八も習っているのだが、トランペットで放置していた部分が尺八にも出て最初の1音を外すので、先生から「一度口から離して、それから吹き始める練習を」と言われている。悪い点を放置するのは、それがちょっとした事でも怖いことなのだ。

2013年2月10日日曜日

懐中ツール

 先日のブログ更新で、最後に「かわいいプログラミング」に触れた。今回はその事について掘り下げようと思う。専門的な内容になる恐れがあるけれど、なるべく柔らかい物腰で書き進めたい。

 まず近年脚光を浴びたのが、ニンテンドー DSiでリリースされた「プチコン」である。簡単に説明すると、WindowsやMacが普及し始めるより何年も昔、もちろんインターネットなんて無い時代のパソコンで一般的だったプログラミング(特にゲーム用途)の雰囲気をこれでもかと盛り込んだプログラミング用のソフト。去年「プチコンmkII」になって大幅に機能が拡張された。残念ながら私は家庭用ゲーム機を所有していないので実機に触れたことが無いが、初代から遊び心が溢れ出まくっており、スタッフのたぎる想いを目一杯詰め込んだ渾身の商品であろう。公式サイトのみならず、他の情報ソースからも伝わってきている。

 続いては音楽の分野が発端。プチコンと同じくニンテンドーDSiでリリースされた、アナログシンセサイザーを模した音楽作りが楽しめる「DS-10」。動画サイトでも人気となり、その後も往年のシンセサイザーをiPhone/iPad上に再現してきた実績を誇るDETUNE社の商品である。その会社が今年満を持してリリースしたのは、なんとポケットコンピューターを再現する「DPC-100」である。ポケットコンピューターとは今や絶滅危惧種で、SHARPが教育機関向けに1機種「PC-G850VS」をリリースしているのみ。初めから数々の数式を内蔵した関数電卓と違い、自らプログラミングすることで機能を増やすことが出来る点が最大の特徴となっている。機能と書いたが、ゲームもその1つ。というかメイン。最盛期には複数の機種にわたって雑誌にゲームプログラムが掲載された。なお、このアプリについても私はiPhoneやiPadを持ち合わせておらず、実機に触れたことが無い。

 そんなニンテンドーDSiもiPhone/iPadも持っていない私が手にしているのはAndroidのスマートフォン。iOS製品と異なりいろいろユルいと言われてきているAndroidのアプリに、単体でプログラミングが可能なものがある。その中で私が最高だと感じているのが「C4droid」(有料)。Androidのスマホ単体でC言語のプログラムを書いて実行することが可能で、別途プラグインを追加すると、サンプルにテトリスや「DOSBox」が付いてくる。実のところ画面が小さいスマホではタッチ式のキーボードで入力するのが辛そうだが、私はわざわざキーボード内蔵の機種を選んだのでだいぶ快適に使えている。

 なぜこんなソフトウエアが飽きもせずリリースされるのか。そこに懐古趣味があるのは当然否定できないけれども、必ず実用性が伴っている点が重要だと思う。ここで言う実用性というのは、例えばインターネットに接続して聞きたい音楽をダウンロード出来るとかいった現実的な実用性とちょっと違う。アプリストアに出回っている立派な物は無理にしても、そういう単機能のアプリではなく何にでもなり得る可能性を秘めたツールといった物。それで作って出来た物を利用することが目的だけれど、作ること自体もまた楽しい目的となる(万人には伝わらない)のが良いじゃないか!と思っている。特にプログラミング言語Cという奴はあらゆるコンピュータで使いまわしが出来るところが強みで、今日の半日は、まずメインのPCで書いて動くのを確認して、そのプログラムをスマホに転送したらそのまま動いたので喜びにうち震えていたのである。今後、スマホだけでプチプチとプログラムを書いても同じように動くのだ。