2010年12月25日土曜日

デュオ

12月20日、高円寺グッドマンの「なんでもいっぱいDay」に出演できた。
当日の夕方にマスターへ電話したところ7時半に来るよう言われて、予定通り仕事帰りに直行。少し遅れるかと思ったが、快速を使ったという事もあって時間通り到着した。すでに先客がいらしたのだが、その中に都立大ジャミンのフリーセッションでご一緒したトランペッターの横山氏が!8時が迫ると出演者が集まって来て、今回デュオをお願いしたKO.DO.NA氏も無事到着。そして最後に到着したのが何と、同じくジャミンで共演して私がこのブログで批判した女性サックスプレイヤー、関根さんである。彼女も今回が初とのこと。偶然が重なり、始まる前から波乱含みとなった。

ライブは絶妙な演奏順で進行。
どうやらこの日はいつもの倍くらい人が集まってしまったらしく、時間はトータルで15分以内、曲数は3曲以内とかっちり決められた。終わって見ると出演者の演奏スタイルは大きく2つに分けられて、前半は主に常連さんによるギターの弾き語り(主催の円地さんはインストのジャズギター)で、後半はほぼ初出演のプレイヤーでかためられたのだが、これがまた揃って管楽器(サックス2名、トランペット3名)でフリーインプロの面々。こういう機会がないとそうそう聴く事が無いギターの弾き語り、しかもオープンGマイナーという変則チューニングが飛び出すなど非常に味わい深かったのだが、特に女性の方は Roland TR-606 からドラムパートを出しており、「30年前に買って、これで問題ないからずっと使ってる」と言う。演奏できる機会があれば Fender Telecaster と Roland TR-606 を肩から提げて出向き、演奏して来たのであろう。私のような浮ついた機材マニアとは格が違うのである。
後半、即興演奏組はトランペットの横山氏のソロからだったと思うが、堂々の演奏だった。吹奏楽やスタンダードジャズのような明確な音ではないけれど、横山氏しか出せない確固とした音。続いてのサックスの男性(名前を失念してしまった)は対照的にパキッと輪郭が際立った音。次に私と KO.DO.NA氏 によるトランペット・デュオだったのだが、そもそもトランペット2本で出るのが珍しかろうという目論みが当たってくれた模様。うまいこと色の違いも出せたようで、私としては成功だったのではないかと思っている。最後はサックスの関根嬢。チャーリー=パーカーだっただろうか、スタンダードジャズの面影を残した演奏と、スキャットにカズー、スライドホイッスルといった玩具楽器も総動員して縦横無尽だった。ソロだったのでジャミンの時と違って変にハラハラする事なく楽しめた。やはりどこへ行っても名物である。

今回は写真がない代わりに後ほど録音をアップしたいと思う。スマートフォンの録音アプリで録ったので、モノラルかつ所々音が割れているのはご容赦願いたい。
MySpace>2010-12-20_21-57 with KO.DO.NA
音は同じですがこちらがおすすめ->soundcloud

2010年12月19日日曜日

告知の体を成していない告知

明後日の12/20(月)に高円寺グッドマンで出演予定。

なんでもいっぱいDay
PM7:00 OPEN
PM8:00 - 10:00 or 11:00 END
チャージ 1,300円

トランペット•デュオで出演する予定。

KO.DO.NA
黒木一隆(TP、ピアニカ)と木ノ下友一郎(エレクトロニクス、ギター)によるユニット。クラブDJ、現代音楽を経て、劇団唐組入団。同退団後、劇中音楽作曲やインプロビゼーションを主体とした幾つかのバンドを経て、2002年静寂音響ユニット『KO.DO.NA』を開始。2006年 『 KO.DO.NA :小人の化学』 発売。2010年ルクセンブルグ『soundzfromnowhere』より「riunione dell‘ uccello」発表。その後、幾つかのオムニバスCDへ参加。ラトビア共和国の音楽誌『フラッシュ』にて紹介される。西麻布『Bullets』『スーパーデラックス』等に不定期出演。オーファイな電子機材を用いノイズの中から賛美歌、児童音楽、鎮魂歌を紡ぎだす。 舞台音楽から即興演奏、楽曲演奏まで幅広く活動中。
http://kodona.web.fc2.com/index.html

森下雄介
チャットシステム「IRC」から発生したテクノ専門作曲グループ「ch.1112」を母体に自作曲を発表。徐々に電子音響に興味が移るのと時を同じくしてアルゴリズミック•パフォーマンスグループ「方法マシン」に参加し、既存作品の上演と並行して、電子工作面ではイルミネーションや正否判定システムの開発、「ハノン大演奏会」では「シャルル・ルイ・ハノンの墓」の作曲に関わる。ハノンの練習をするにあたり「出来るだけ生のピアノに触りたい」という思いから千野秀一•新井陽子両氏によるピアノ2台を使った即興演奏ワークショップ「2pf」に参加。ハノンとまったく関係なく現在の「ピアノアピ」に続き、即興演奏への参加を通じて学生時代に演奏していたトランペットを見直し、主に飛び入り可のイベントに顔を出すようになる。

◇◇◇

以上が告知なのだが、困った事に出演のアポが取れていない。
グッドマン名物のフライヤーに担当者の連絡先が書いてあるのだが、結局一度も連絡がとれず、マスターに直接お話を伺って「いつも2〜3枠あいているので当日楽器持って来たら出れると思うよ」とのお言葉に賭けている状態である。

2010年12月12日日曜日

観客

11月27日の事になるが、第24回公園コンサートを鑑賞して来た。
公園コンサートそのものの詳細はリンク先をご覧頂くとして、今回鑑賞したのは「9回の逆進がある列車移動」という作品である。ある規則に従って列車移動を繰り返すというもので、その上演を鑑賞する為には観客である私も出演者といっしょに移動する必要がある。つまり、観客でありながら作品を上演している事にもなり、メンタル面に違いはあれど外見上は出演者との違いがないという、ちょっと不思議なコンサート。
午後2時に上野駅から高崎線に乗車してコンサートが開演。神田聡•齋藤祐平•直嶋岳史の3氏からやや距離を取りつつ鑑賞するのだが、リラックスした雰囲気で電車に揺られる様を見ているのである。逆進する場面では駅で降車して乗り換えるのだが、途中、ホームをまたぐ必要がありながら時間が1分しかないというところがあった。緩急ある展開である。
終演は午後6時少し前。11月の終盤とあって日が落ちて気温も下がり、ずしっとした疲労感の中で完遂した。終わってみて感じたことは、やはり、客席に座ってるだけでは味わえない達成感である。最後の逆進が終わって上野駅のホームに降り、それを以て演奏を終えた神田聡•齋藤祐平•直嶋岳史の3氏に拍手を贈ったのだが、自然とその手に力が籠る。打ち上げが盛り上がったのは言うまでもない。


話は変わって、ジャミンat都立大学でのフリーセッション。
12月5日、私にとって2回目のセッション参加。午後7時の開演で時間に合わせて行くのだが、トリオの3名を除いて、私で3人目くらいである。それから徐々にプレイヤーが増えて来て、夜10時ごろには10名を超えていた。楽器は私がトランペットで、サックス•フルート•ギター•ウッドベース•ピアノ•EWIと多彩で、前回からすっかり名物となった女性プレイヤーは、サックスの他に民族楽器の笛にカズー、それにスキャットなど縦横無尽である。ただ、興に乗って居ても立ってもいられなくなる質の人らしく、椅子を立ったり座ったり、テナーサックスを首にかけたり外したり、心中を察するとこっちも締めつけられる思いがしたが、ついに我慢出来ず勝手に出て行って演奏に加わってしまった。その時はジャズのスタンダード曲の演奏中だったのだが、そこにフリーインプロで割り込みをかけた形になってしまい、私は白けてしまった。私より知識も演奏の力量も上なのに、もったいない……
また、この日はジャズピアニストの鶴巻有希子さんが来て下さった。ピアノを使ったワークショップ「ピアノアピ」が「2pf」だった時の参加者で、その時にピアノ同士で共演させて頂いたことがあるのだが、ワークショップを離れて私がトランペットでご一緒するのは初の事である。鶴巻さんはドラムが大ベテランの藤井信雄氏のピアノトリオでリーダーを務めており、そんな方とのセッションでも私の方はいつも通りのテンパリ気味で精一杯の演奏となった。