2010年11月20日土曜日

金欠

身も蓋もないタイトルだが、そういうことで。
Uターン就職したのが東京に長期出張になって、そのままなし崩しに転勤になった我が身。もう7年くらい経つのだが、安月給にあって大きなウエイトを占めているのが転勤手当で、これが段階的に減額されて結果的には大幅カットとなって大打撃!となる予定である。そんな不幸な予定は要らない。

なんとか生活していかなければ。
以前ここで「自炊」と題してちらっと書いたけれども、文字通り食えないと生きられない。1ヶ月本気で自炊してみて若干その恩恵は受けられたが、あくまでも若干。はっきり言えば駅前の蕎麦とか牛丼が安くて、下手に材料に凝ったりするとすぐに足が出る。平日の昼食におむすびを持って行く事も考えられるが、起床する時間を1時間早めるとか、せめてフライパンは入手するなどしないとうまくいかないだろう。

休日の過ごし方。
まず、出かけない。自制心という物がなっとらんので、「ちょっと散歩」のつもりで出かけて、ついつい本を買い込んでしまう事がざらにある。最近ではもっぱら古本で、現在活躍されている作家•出版社の方には後ろ髪引かれる気持ちがあるけれど、ここに書くような節約して余裕が出来た時に「これは!」という本を購入させて頂きたい。電子出版も良いけれど、どうか良質の本をこれからも世に出して頂けますよう。
話を戻して、出かけないとなると写真を撮る機会が減ってしまう。フィルムカメラという時点で相当に贅沢なので、これはもう多い月でフィルム3本/月としたい。現像に出すとプリントはせず CD-ROM にしてもらっている。

部屋で何するか。
先に「出かけない」と書いたけれど、私は部屋にいるのが嫌いな方である。鬱々とするからなのだが、出かけないと決めたら何か気晴らしが無いといけない。まず音楽については「良い時代になった」と言い切る事に違和感を持ちつつインターネットを利用している。もちろん合法的に。こういう聴き方は「無料!FREE!」というイメージがあるけれど、通信費に含まれているのだから使わない手は無い。そしてここでも「これは!」という事があれば身銭を切る事もある。あと、ラジオの復権。趣味の電子工作でラジオを作ったりもするので、作るも良し、聴くも良し。落語にも興味があるので思い出した時に聴くこともある。本物の寄席には一度行った事があって、その時は席に恵まれなかったけど十分楽しめた。また行きたいものだ。
読書も大事。ここではマンガや雑誌も含むが、SF などの小説、随筆集を読むのも好きである。夜、ウイスキーのような強いお酒をちびちびやりながら読むのも悪くない。ただ、疲れが目からこめかみを伝って首筋に来ると辛い。辛いので一度に読む量が限られて、1冊をなかなか読み終えられずに読みかけの本が増えて行く。金欠の今はこれら積ん読の消化にあたる事となる。本当は出勤中•帰宅中の車中で読むのが一番好きである。
かつてはパソコンで曲を作ったり、ちょっとしたプログラムを組む事もしていた。今でも音声合成の SuperCollider にマルチメディア向け C++ ツールキットの openFrameworks、楽譜の清書に LilyPond を使用することがあるのだが、PC に向かって長く集中することが出来なくなった。今思いついたが、背もたれ付きの座椅子があると改善するかも。読書の時にも楽そう。でも、置けるスペースがないんだよな……

2010年11月10日水曜日

即興−追記あり−

トランペットのマウスピースを交換した後の話。
マウスピースを買ったのが11月6日の土曜日で、箱の中身が違っていることに気づいて交換してもらったのが翌日の日曜日。この日は午後1時から即興演奏のワークショップ「ピアノアピ」があるので、遅くても午前11時に部屋を出たかったのだが、前日の夜に食べたカップラーメンの香辛料が体に合わなかったらしく盛大に腹を壊して、最終的に部屋を出たのは午後1時少し前。それからまず楽器店へマウスピースの交換に行き、それから目黒パーシモンホールへと向かったのだが、到着したのは午後3時だった。トータルで4時間のワークショップなのだが、既に半分過ぎている。

即興演奏ワークショップ「ピアノアピ」。
元々はピアニストの千野秀一・新井陽子両氏が立ち上げたピアノ2台によるワークショップ「2pf」である。使用する楽器は会場のピアノ2台のみで、初期のころは内部奏法でも何でもありの様相。一度お披露目のコンサートも開いたのだが、紆余曲折あって名前が変わり、会場も変わってピアノが1台になってしまったのを受けて、今では楽器の持ち込みが可能になったというワークショップである。そういえば「ピアノアピ」という名前、ピアノが2台あっての名前なので、また変えた方が良いような……
このワークショップで長い事続いているのが絵本をネタした即興演奏である。絵本の内容に合わせて音を出すのだが、今回はちょっと変わって紙芝居だった。2つあって、1つは群れからはぐれたクジラの話、もう1つは実写の紙芝居でミツバチの生態を扱ったもの。私はおろしたてのマウスピースでトランペットを鳴らしたのだが、他にも木魚やマラカスやシェイカーなどの打楽器に鍵盤ハーモニカもあり、ピアノだけだった頃と違って多彩な音が添えられた。絵本をネタにした即興演奏以外にも、ピアノの演奏を交代しながら皆思い思いに音を出して楽しんだ。

次はバーでフリーセッション。
午後5時にワークショップが終わると、駅の近くでお茶した後に私ひとりで時間を潰して「Jammin」へ。偶然ワークショップと最寄り駅が同じで即興演奏のハシゴである。以前ここに書いたドラマー須郷さんに教えてもらったフリージャムセッションの日で、参加費を払えば誰でも演奏させてもらえるというもの。ジャズバーなのでフリーと言ってもジャズのフォーマットなのではと警戒しまくりだったのだが、全然そんなことなくフリーインプロだった。ただやはりお客さんは私と同じくトランペットやサックス・ギター・ベース、珍しいのはウインドシンセの AKAI EWI で参加した方もいる。EWI の人に話を聞くと、本当はテナーサックスをやりたいのだが住宅事情がそれを許さず、仕方なく EWI をヘッドホンで聴いて練習しているとのこと。私も尺八を練習する時に肩身を狭くしているのでよくわかる。
それにしてもこちらは壮観。どこの喫茶店でも見かけるような普通の座席で、座ってるのはほとんど全員プレイヤー。テーブルやカウンターにドッカと楽器を置いて名前を呼ばれるのを待ちつつ、演奏中の音に耳を傾ける。この雰囲気、昔テレビで見た西部劇のギャングが集う酒場である。どう見てもアウトロー。最終的にプレイヤーは12名になり、その中で私が知るのはドラムの須郷氏だけで、ほとんど初対面で名前が呼ばれたら前に出て一緒に演奏する。やはり端々にジャズらしさが出る即興演奏なのだが、ソプラノサックスの女性はスキャットを始めたかと思えば絶叫するしで、やはりここでも気は抜けない。それが夜の11時まで続いた。

ほぼ一日中即興演奏してみて。
まず「ピアノアピ」の方。楽器持ち込みが出来るようになって飛躍的に音が多彩になったけど、ピアノだけで何とかしていた以前のワークショップの音が懐かしい。モノクロ写真の風情があったように思う。ただしそれは大人向けで、子供には退屈かもしれない。ピアノだけで子供を退屈させないようにするのは技術が要りそうで難しいところだ。今回、試しに野村誠+片岡祐介「音楽ってどうやるの」を持って行ってみたのだが、失敗したのはこの本の前半「なんちゃって○○」に集中してしまった事。「○○」にはジャンルが入るのだが、わりと楽譜が書かれていて我々でパッとやるのはハードルが高かった。後半のゲームピースであれば出来たように思うし、子供でも楽しめたと思う。それにこれはワークショップに課題として作品を考えて行った頃につながる。漫然と音を鳴らすところから大きく踏み出せる。
次のジャムセッションでは、それぞれ得意とする楽器を持って相応のスキルを身につけた人々が集まった。そして、ジャズのフォーマットがうっすら感じられるのだがほとんどフリーインプロの状態。その中にあって、ドラムが重要な役割にあり、何よりも音が大きくビートを刻めば秩序が生まれる。シンバルの連打があると演奏が終わるのである。本当に即興演奏だと延々と終わらないことが多いが、きちんと終わる。予定調和と言ってしまえばそれまでだけど、大人数が参加するセッションでの進行に欠かせないだろう。「ピアノアピ」は延々と終わらない方のタイプで、このようなジャムセッションのやり方も取り入れてみると面白いかもしれない。でも、次は来年なんだよなあ。

追記
イラストレーターのシャルロット井上さんが「ピアノアピ」の様子をブログにアップして下さいました。こちらは写真も豊富です。
継続はちからなりなの?

Jammin から一枚。

2010年11月8日月曜日

Tp.2

トランペットのマウスピースを購入した話。
先日「余裕があればエリック宮城モデルを買う」という旨を書いたが、結論から言うと日野皓正モデル TH-5 を購入した。経費精算でお金が戻り、そのわずかな利鞘をあてて購入したのだが、そこまでの流れを紹介したい。

徒歩圏で見つけた管楽器専門店。
今住んでいるところの近くに管楽器専門店を見つけたことに始まる。永江楽器というお店で、高円寺の南口から続く商店街から少し離れて住宅街の中にある。外から見たところ小さいけれど感じの良いお店で、Android携帯電話の HT-03A で検索してみると立派なホームページがある。入ってみると女性の店員さんが一心に木管楽器の修理かメンテナンスをしている。そのままショーケースを眺めると、トランペット用のマウスピースは数が少なく、基本的に取り寄せになりそうなことがわかる。ぶらぶらしてたら店員さんが気づいてくれたのでさっそく話をしたところ、いくつか試奏させて頂けたのだが、そのラインナップにこのお店の深さを見た。というのも、試奏したのが Bach MEGATONE 3C・BEST BRASS GROOVY・HAMMOND DESIGN だったのである。メガトーンはともかく、ベストブラスとハモンドとは。しかもハモンドの方は何故か受注生産の型番で、カップがめちゃくちゃ深い物だった。残念ながらどれも予算オーバーなので(楽器本体じゃあるまいしケチるところではないのだが)、メンテナンス小物だけ購入して店を出た。

御茶ノ水で定番のお店。
管楽器に関しては必ず足を運ぶお店なのだが、今回は少しばかり事情が異なるので店名は控えさせて頂く。先日エリック宮城モデルなど試奏させて頂いたところで、今回は最初にエリック宮城モデルの EM-2 と日野皓正モデルの TH-3、次に TH-5 を出してもらった。日野皓正氏と言えば高校時代に持った印象が「男臭くて力任せに頬をふくらませて演奏する人」というもので、今の今まで食わず嫌いしていた。そんな訳で、試奏するにあたって出してもらっておきながら「このロゴは如何なものか」と全然乗り気でない。ところが吹いてみると凄く良いのである。「飛び道具を一本」のつもりでいたのだが、これは常用で使える……そう思って、同モデルで一番内径が大きい TH-5 も試奏して、それに決めた。

帰って来てさっそくブログにと。
昼過ぎに出かけてすっかり日が落ちてから部屋に帰り着いた。買って来たマウスピースと、いつも使っている Bach 3C を並べて携帯電話のカメラで撮影する。刻印をこちらに向けて……そこで気がついた。日野皓正モデルの TH-5 を購入して、箱は確かにその通りなのだが、中身が TH-3 だったのである。ご存じない方が多いと思われるが、管楽器のマウスピースは売り物を箱から出して試奏して、終わった物はアルコール消毒や中性洗剤で洗浄するなどした後、元のように売られるのである。まあ、飲食店の食器にしたって同じことだけど。それで今回、入れ違いになったらしい。実はこの時、「まあいいか」と思った。TH-3 と TH-5 を試奏した時、TH-3 はすぐに鳴ったのだが、TH-5 は鳴らなかったのである。ところがバテてからは TH-5 の方が踏ん張りが利く。迷った末の TH-5 だった。しかし、試奏してちゃんと思うところがあって TH-5 にしたのだし、第一、店に並べられている TH-3 の箱に TH-5 が入れられているはずで、お店が気づいていない可能性がある。翌日、交換してもらいに再度お店に訪れたところ、真摯に対応して下さった。ここに貼る写真は、交換前の TH-3 である。左のへちまみたいな形しているのがそう。

交換してもらったその日、ほぼ一日中即興演奏で使用したのだが、それはまたの機会に。

2010年11月3日水曜日

Tp.

トランペットのマウスピースを見に行った。その話の前に。
社会人になったと同時にほぼ挫折という形でやや遠ざかったトランペット。テクノの自作曲を発表したりパフォーマンスに参加する中で「昔取った杵柄による飛び道具」の位置づけで引っ張り出す程度だったのだが、今年は本気モードである。挫折するきっかけとなったハイトーンが出せるようになるかもしれない糸口を掴んだのだ。学生時代の間続けた7年間、チューニングで鳴らすドの音(実音でB♭)の上のソ(F)がようやく出るくらい。吹奏楽で上のソより高い音が出て来たらフレーズごとオクターブ下げて、それでも1曲もたないという状態だった。それが思いつきでやり直した今年、まだ1年足らずで憧れと屈辱の High B が、まだ不安定とはいえ出せるようになったのである。

その糸口とは。
大きく3つある。1つめは高い音を出すにつれ口の中を狭めること。基本中の基本らしいのだが今の今まで知らず、高校1年生で始めた時に言われた「口の中はあくびをするように」「手の指を縦に並べて3本口に入るように」を如何なる時も実践していた。2つめは息を出す強さ。学生時代は羞恥心が先に立って息の強さが不十分だったのである。1つめで口の中がフルオープンなところへ息が足りないものだから、その分アンブシュアを締めまくる結果となった。1曲もたない訳である。3つめは頬の筋力。そもそも今年掴んだ糸口の最初の要素はこの筋力で、「フルマラソンを完走するのに必要な体力を付ける気でトレーニングしたら高い音が出るんじゃ?」と思ったのである。仕事中もこっそりアンブシュア作って細く速い息を出していた。たまにバジングになって音が出て、屁をこいたみたいで凄く恥ずかしい。

マウスピースについて。
長くメインで使っていたのは Bach 7C。学生時代にYAMAHAのTp.を使っていた時から始まって、社会人になって中古で Bach のトランペットを購入した後もしばらくの間使っていた。今持ってるのは中古で買った時に付いていたもので、調べたら刻印にドットが付いてるヴィンテージ物らしい。吹奏楽から離れて飛び道具として使うようになった時に Bach 10-1/2C を使い始めた。これで少しだけ高い音が出るようになってほぼ満足。それから数年が経過して今年、これでいいのだろうかと疑問に思い楽器店のスタッフに話を聞いて選んだのが Bach 3C。これを選ぶ時にはまず 1-1/2C・3C・5C を試奏し、高音を維持したいことから 3C・3D・3E を試奏するという慎重さで選んだ。私の場合はカップの深さが高音の出しやすさに繋がらなかったのだが、とにかくこの試奏で 10-1/2C を使っていてアタックが当たりにくい気がしていたのが確信に変わり、それ以来 Bach 3C で満足している。

今日の話。
Bach 3C というマウスピースが一番だ!という気持ちで使っているのだが、マウスピースという奴はいくつものメーカーからいくつもの型番が発売されていて、「もっと合うマウスピースがあるのでは」と思わせてしまうのである。特に私の場合はハイトーンに不安があるので、不利な Bach 3C を使ってて良いのかと疑問がつきまとってしまうもの。それで今日はお店で「キャラの濃いマウスピース」を指定して試奏させて頂いた。ボビー=シューモデルのJazz・エリック宮城モデル・Bach Megatone 1C の3本が出されたのだが、メガトーン以外シグネチャモデル。シグネチャモデルを試奏するのなんて初の事である。ボビー=シューJazzモデルは 3C を使い続けてたら良いかなと思った。エリック宮城モデルでは初めて High D が出て楽しかったが、普段の音域がスカスカな感じに。メガトーンは見た目と名前から受けるインパクトがなく、これも 3C  でいいやと思う。そんな訳で今日は購入こそしなかったものの、金銭的に余裕が出来ればエリック宮城モデルを購入するかもしれない。最後に、写真は帰省した時のもの。

2010年11月2日火曜日

雨中

台風にめげずにライブを2本見に行った話。
1本目は、江古田にあるフライングティーポットでの須郷文人氏(Drs.)と若杉大吾氏(Drs.)による即興演奏のライブ。それを知ったのは早稲田の茶箱で定期的に開かれている sokkyo-enso でピックアップしたフライヤーで、まず最初に飛び入り参加が可能という点に目が行った。ライブ当日は平日の夜。演奏に参加させてもらうならトランペットしかないと思って、これは会社に楽器を持ち込むしかないと覚悟を決めた。

そして、当日は台風接近中の雨天。
仕事用のバッグ•トランペットケース•傘、それらを持って通勤ラッシュに参戦するという非常に鬱陶しいことになった。そして、フライングティーポットに着いてみれば、客は私一人。私が演奏に参加してしまえばお客さんゼロである。客より出演者の方が多いライブはこれまでにも何度かあったが、これは初めてだった。しかし、二人の演奏は素晴らしかった!ドラム2人という変則的なセッションだが、熱帯雨林気候の風土を連想させる落ち着いた音で始まって、しばらくは寄せたり引いたりしていたのだが、ポッと火が着いたと思ったら一気に燃え広がる場面もあり、きっちりビートが刻まれてダンサブルな展開もあり、全然飽きなかった。

後半、苦労して持って来たトランペットで参加。
ドラムセットを持って来た2人に比べたら些細な苦労だが、それはともかく演奏も必死になった。途中、スーッと血が足の方へ落ちて行って平衡感覚を失う場面があったのだが、あれは久しぶりに危ない瞬間だった。先に「客がゼロ」と書いたけど、演奏を始めてしまえば客の有無は関係なくなる。演奏に没頭することに変わりがないのだ。自分で録音してなくて客観的に見れていないので何とも言えないけれど、何らかの結果は出した。

2本目の舞台は多摩美の八王子キャンパス。
多摩美の芸祭で、七里圭監督の映画「ホッテントットエプロン–スケッチ」を、音楽が生演奏によって提供される形態で上映するのである。その演奏に i9ed氏が参加するので見に行く事にしたのだが、この日が正に台風が関東に上陸する日だったのである。

懐かしの八王子駅からバスで20分の山の中。
行きがけはまだ風が無く、上映前に屋内の展示をのんびり鑑賞する余裕があった。その時に撮った写真を下に貼るが、天気が良ければさぞかしいい景色だったろうと思う。そろそろ開場かなとホールに向かうと、七里監督をはじめ関係者がぞろぞろと外を歩いている。挨拶もそこそこに会場に向かい、席に着くと少しばかり眠って、上映が始まった。この映画は以前、下北沢の劇場で観た事がある。その時の記憶はぼんやり残っているのだが、今回の半ば即興演奏の劇伴は当然フィルムのサウンドトラックと異なるもので、珍しい試みであることに間違いなく興味深かった。難を挙げると、音楽と効果音の境界があいまいで、目の前で演奏された音なのか、フィルムのサウンドトラックなのか判別できない場面があった。判別する必要はないはずなのだが、どうしても「あ…今のは違うのか」と意識に上ってしまうのである。上映が終わって外で一服してたら、在学生と思われる方々が同じことを話していた。

さて、帰ろう。
上映中にアナウンスで大雨洪水警報が発せられたのが聞こえて来た(どうかと思うが仕方が無い)ので長居は無用。風も強まってのっぴきならない状況になりつつありバス停に急ぐと、既に長蛇の列である。しかし、3路線出ている為に消化が早く、スタッフの誘導もしっかりしていたので混乱はなかった。電車に乗ってる間に雨脚も弱まり、帰り着いてみれば、まあまあ順当なちょっとした旅だった。