2010年11月2日火曜日

雨中

台風にめげずにライブを2本見に行った話。
1本目は、江古田にあるフライングティーポットでの須郷文人氏(Drs.)と若杉大吾氏(Drs.)による即興演奏のライブ。それを知ったのは早稲田の茶箱で定期的に開かれている sokkyo-enso でピックアップしたフライヤーで、まず最初に飛び入り参加が可能という点に目が行った。ライブ当日は平日の夜。演奏に参加させてもらうならトランペットしかないと思って、これは会社に楽器を持ち込むしかないと覚悟を決めた。

そして、当日は台風接近中の雨天。
仕事用のバッグ•トランペットケース•傘、それらを持って通勤ラッシュに参戦するという非常に鬱陶しいことになった。そして、フライングティーポットに着いてみれば、客は私一人。私が演奏に参加してしまえばお客さんゼロである。客より出演者の方が多いライブはこれまでにも何度かあったが、これは初めてだった。しかし、二人の演奏は素晴らしかった!ドラム2人という変則的なセッションだが、熱帯雨林気候の風土を連想させる落ち着いた音で始まって、しばらくは寄せたり引いたりしていたのだが、ポッと火が着いたと思ったら一気に燃え広がる場面もあり、きっちりビートが刻まれてダンサブルな展開もあり、全然飽きなかった。

後半、苦労して持って来たトランペットで参加。
ドラムセットを持って来た2人に比べたら些細な苦労だが、それはともかく演奏も必死になった。途中、スーッと血が足の方へ落ちて行って平衡感覚を失う場面があったのだが、あれは久しぶりに危ない瞬間だった。先に「客がゼロ」と書いたけど、演奏を始めてしまえば客の有無は関係なくなる。演奏に没頭することに変わりがないのだ。自分で録音してなくて客観的に見れていないので何とも言えないけれど、何らかの結果は出した。

2本目の舞台は多摩美の八王子キャンパス。
多摩美の芸祭で、七里圭監督の映画「ホッテントットエプロン–スケッチ」を、音楽が生演奏によって提供される形態で上映するのである。その演奏に i9ed氏が参加するので見に行く事にしたのだが、この日が正に台風が関東に上陸する日だったのである。

懐かしの八王子駅からバスで20分の山の中。
行きがけはまだ風が無く、上映前に屋内の展示をのんびり鑑賞する余裕があった。その時に撮った写真を下に貼るが、天気が良ければさぞかしいい景色だったろうと思う。そろそろ開場かなとホールに向かうと、七里監督をはじめ関係者がぞろぞろと外を歩いている。挨拶もそこそこに会場に向かい、席に着くと少しばかり眠って、上映が始まった。この映画は以前、下北沢の劇場で観た事がある。その時の記憶はぼんやり残っているのだが、今回の半ば即興演奏の劇伴は当然フィルムのサウンドトラックと異なるもので、珍しい試みであることに間違いなく興味深かった。難を挙げると、音楽と効果音の境界があいまいで、目の前で演奏された音なのか、フィルムのサウンドトラックなのか判別できない場面があった。判別する必要はないはずなのだが、どうしても「あ…今のは違うのか」と意識に上ってしまうのである。上映が終わって外で一服してたら、在学生と思われる方々が同じことを話していた。

さて、帰ろう。
上映中にアナウンスで大雨洪水警報が発せられたのが聞こえて来た(どうかと思うが仕方が無い)ので長居は無用。風も強まってのっぴきならない状況になりつつありバス停に急ぐと、既に長蛇の列である。しかし、3路線出ている為に消化が早く、スタッフの誘導もしっかりしていたので混乱はなかった。電車に乗ってる間に雨脚も弱まり、帰り着いてみれば、まあまあ順当なちょっとした旅だった。

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