コンピューターに興味を持つのと同時に真っ先に考える事といったらゲームである。弾道計算をはじめとした科学計算ではないところが掛け値なしの凡人である証明。ともかく、大半のアナログゲームは1人以上相手がいないと遊べないのだが、コンピューターがその相手を務めてくれるとなれば気兼ねなしに自分の気が済むまで遊べる。作り手から見ると、コンピューターにゲームをプレイさせるというのは多分に科学的なチャレンジで、研究目的としても恰好の題材になる。コンピューターゲームの歴史を調べてみると、三目並べが1952年に開発されている。
Computer Othello
http://en.wikipedia.org/wiki/Computer_Othello#Milestones_in_Computer_Othello
ただし、村上健氏の対戦は何かと問題があったようである……
オセロプログラムと人間はどっちが強いのか?ロジステロとの戦い
http://uguisu.skr.jp/othello/7-2.html
事ここに至って思うのは、コンピュータに勝てなくなったからと言って、そのゲームの魅力が失われてしまうかどうか。悶々と考えてしまうのだが、これがどうもはっきりしない。何にはっきりしないのか苦労して掘り下げてみると、もともと相手を探す必要があったのをコンピュータで代用したのが始まりだったのが、いつの間にか「プロが負けるのか?遂に負けてしまうのかー!?」という別の価値基準に置き換わっているのではないかと思い当たった。プレイヤーと研究者の微妙なズレもあるように思う。もちろん、強いプレイヤーが強いソフトを望むのは至極真っ当な事なのだが、その視点から見れば手応えを求めていたら歯が立たなくなったという状況が生まれつつある。
おそらく将棋で言えばプロ棋士との対局では次回の第3回電王戦が最後になるのではと思う。でも、それがコンピュータ将棋そのものの最後かというとそうではなくて、強さではなくキャラ付けに未来があると思っている。
最後に面白かった本をご紹介。将棋のプロ棋士がコンピュータソフトと初めて公式で対戦した記録と、棋士というだけで個性的な方だらけなのにその中でも屈指の升田幸三の本。後者はビジネス書としても人気があるらしい。