去年まで、というのはほんの1〜2週間前までなのだが、携帯電話は HTC HT-03A を使っていた。すでに型落ちで半額になっていたところを購入して2年縛りで使い続けていたスマートフォンである。Android のバージョンは 1.6 からアップデート出来ず、いい加減くたびれたのでSIMフリーである SONY Ericsson Xperia Pro を友人から安く譲ってもらい乗り換えた。これで HTC HT-03A とはお別れ……
で終わりにしないのが貧乏性理系脳である。というのも、手の平サイズでタッチパネル・カメラ・3軸加速度センサー・デジタルコンパス等々を搭載し、電話回線がなくとも WiFi でネットワークに繋がる道具を放っておくなんて手はない。最近は書籍も充実してきた Kinect とは比べるべくもないが十分だろう。そこで思いついたのが、目覚まし時計兼 OSC を PC に送るコントローラとしての余生だ。
以下、専門的な記述が続く
まず、OSC というのは上記で Wikipedia にリンクを貼ったが簡単に説明すると、電子楽器やコンピューターに音楽情報を送ったり受け取ったりする通信プロトコルの事。ついでに、通信プロトコルというのは「こういう信号をやりとりすること!」と決められた規約である。電子的な音楽情報と言えば昔から MIDI があるが、それよりも柔軟性が高いことから様々なアプリケーションに実装されるようになって広がりを見せている。
そこでまず、世に出回るスマホとしては既にポンコツの域に入ってしまった HT-03A に TouchOSC をインストール、そこから送られてくる各種センサーの値を受ける PC 側のアプリケーションには当初オーディオプログラミング言語 Chuck を選択していた。しかし、メイン環境である 64bit 版 Debian Linux で動いてくれず(ソースからビルドしても不可だった)、急遽 puredata(pd) に変更。ところが pd で OSC を使用するには pd-extended という拡張機能をパッケージングしたものが必要で、これの 64bit 版バイナリパッケージが存在しないのである。こちらはソースからビルドすると動きそうなのだが、1歩進むとエラーでビルドが終了、対処して1歩進むと別のところでまたエラー。このあたりでいっそ OS を i386 版で再インストールしようかと思いつめた。
しかし、そんなことしたら1月7日からの3連休が吹っ飛んで、おまけに手段が目的になってしまう。pd-extendedのエラーログとビルドプロセスの構成を丁寧に見てみると、個々の拡張機能で分かれているディレクトリ下の configure を順に呼び出して個別にビルドしているらしい。ただし、pd 本体はどこかで configure そのものを生成しているらしく単発でビルド出来ない。そして、エラーになっているのは使う気のない映像関係。そうと分かればやることは一つ、pd-extended のディレクトリ配下にある OSCx ディレクトリを、別途ダウンロードした素の pd ディレクトリ配下にコピーして来て、pd を単発でビルドしたところで OSCx だけビルドしたのである。この OSCx のビルドでも pd ディレクトリツリーのどこに置くかがすぐに分からずトライ&エラーになった。そうまでしてようやく使えるようになったっぽいが……まだ HT-03A から試せていない。
0 件のコメント:
コメントを投稿