2014年12月29日月曜日

音楽の演奏との付き合い

大上段に構えたタイトルから振り下ろす

 12月27日、ウチダヨシノブさんが主催する「楽器を使わず♪ 音楽(おとあそび)表現ワークショップ」に参加した。リンク先に書かれている通り、楽器演奏の経験が無くても、楽器が無くても、音楽を楽しむことは出来るよ!という趣旨のワークショップである。まず最初に「音楽とは?」を各自思い思いに付箋に書いて壁に貼ることから始まって、ウォーミングアップからメインの「紙だけ使って音を出す」試みへと進む。ただ闇雲にガシャガシャやってては音楽の体を成さず、私が付箋に書いた「感情への働きかけ」が生まれない。そこでウチダさんがひとつリズムの約束を足す。それがきっかけに笑いが起きたりする。流石。
 私は今となっては楽器演奏の経験を持つ者である。今更リセットすることは出来ない。そんな私がこの手のワークショップに参加するにあたって最初に思い浮かぶのは「サバイバル」。私はアウトドアがからっきしダメなのだが、音楽だけは何とかしてみせるわ!この場合は私がやってみせるだけではなくて、やってみ?と巻き込むのが音楽の真価である。

 12月28日、高円寺マッチングモヲルにて「モジュラーシンセミーティングTokyo」を観に行った。飛び入り参加可能とあって私もセットを持って行くことも考えたが、この日はこの後にジャムセッションの参加を決めていたのでまたの機会にまわした。 モジュラーシンセサイザーというのは1つのモジュールは基本的に1つの機能しか持たず、そのモジュールを複数ケーブルで繋いでいって複雑な音を生み出す電子楽器。近年日本でもユーロラックという規格に則ったモジュールが手に入りやすくなって徐々に普及してきた。モジュラーシンセミーティングTokyoはそんなモジュラーシンセプレイヤーが一同に会して、ライブあり、トークありで楽しい時間があっという間に過ぎていった。内容もバラエティーに富んでいて、電子音響にダブステップのDJMIX、小林旭を熱唱という完全に予想外のパフォーマンスも!1月15日には高円寺ShowBoatで類似のイベントが開かれるそうなので、こちらも注目したい。http://showboat1993.wix.com/showboat1993#!20151/cufw
  上記のワークショップとは盛大に対極にあるようだが、モジュールの数や組み合わせが自由なのでたった3つの基本的なモジュールだけでもパフォーマンスが可能であって、お客さんを唸らせる。立脚している地点が同じなのだ。

 同日、阿佐ヶ谷YellowVisionにてジャムセッション「Groover's Jam」に参加。トランペット1本持って。多かれ少なかれ楽器の演奏に通じた面々の本気の戯れで、圧巻のライブである。ドラムとエレクトリックな楽器の音量に負けじと全身で音を吹き上げる。スケールに合わせられればもう少し文明的な音楽になったかもしれないが、そんな余裕は自ら消し飛ばして「音楽はなるようになるもの」を地で行った。とはいえ、各々得意なジャンルが厳然とあって、それに合わせたり、関係なしにぶっ込んだりのせめぎ合い。特にこの日のエスニックになったセッションに驚いた。クロマチックな楽器のプレイヤーがスケールに即対応していたのが凄い。かくいう私もフリーインプロヴィゼーションじゃ!とワルぶってみても、学生時代の基礎があってBachの標準的なトランペットなので、そう道を外した音にならない(道を外した音ってどんな音なのか)。
 つまり、カオスになり過ぎないところが音楽だった。カオスにしても音楽を感じられるものがあるけれど、それが出来る人間は限られてて、やってみるとむしろ難しい。

 仕事納め直後の2日間で濃密な経験をしたのだけれど、音楽演奏の門戸が広く開かれているのは間違いない。楽しめることが1つ増えるのが悪いことではないだろう。

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