2010年10月14日木曜日

愛機

メインのカメラは、フルマニュアルのフィルムカメラ。
カメラに興味を持ったのは2002年頃のことである。珍しく年を特定できるのは、この年に横浜で ROBODEX という大きなロボット展があり、初めて買った中古カメラを持って行ったのだ。当時は足立区にある会社の寮に住んでいて、北千住に出掛けた時にこじんまりとした感じの良い中古カメラ店に入って、雑誌で読んだままに昔の高級機が予算1万円で買えるのをあてにして店主に話を聞いた。予算1万円ならこれ!と出されたのは、Nikon Nikomat だった。FT か FTn だったと記憶している。露出計が機能しないジャンク品ということで、標準の50mmレンズを付けて7,000円だった。その場にいたお得意さんとみられる年配のお客さんからは、初めからズームレンズを使うのではなく自分で距離をとって撮ること、露出計はなくても勘で十分撮れることを教わった。

しかし Nikomat はゴツい!重い!
今ならたとえゴツく重くとも楽しめる自信があるのだが、初めて買ったカメラがそういった代物で、しかも横浜まで持って行って ROBODEX で撮影して帰った時なんてもうへとへとで参ってしまった。1年そこそこで別の中古カメラ店に買い取ってもらったのだが、当然ジャンク扱いで二束三文である。しかし今思うと、露出計が壊れてるカメラを持って、屋内で様々な照明で照らされたロボットを撮影したのだから無謀だったのだが、凄く綺麗に撮れていて驚いたのだった。ネガフィルムなのにポジフィルムで撮ったかのような色のり。名機である。

ロシアカメラを経由して、OLYMPUS OM-1へ。
とにかく、「安いのにちゃんと綺麗に撮れる」中古カメラの魅力にとりつかれた。それで、一番長く愛用しているのが下に貼った OLYMPUS OM シリーズである。右が露出計以外全て機械式の OM-1、左がシャッターが電子式の OM-2。実は実家に OM-1 がもう1台あり、ちょっと珍しい型らしくて帰省した時だけ持って出かける。機能はどちらが良いかと言えば、絞りを決めただけでシャッタースピードを自動で合わせてくれる OM-2 の方が良いのだが、壊れた時の安心感は OM-1 の方が圧倒的に大きい。50年も昔のカメラでメーカーにも部品が残っていないのだが、機械式であれば、修理業者によってはプリズムの再蒸着や部品の作成までするところがあり、半永久的に使用可能なのだ。その安心感に背中を押されて、モノクロフィルムを詰めて出かけるのである。もちろん修理はタダではないけれど、例えばボーナスの使い道を考えた場合、新製品のデジタルカメラを買ってメーカーを応援するのは世間の皆さんにお任せして、私は修理業者を応援したいと思う。メーカーがずっと修理を受け付けてくれれば、それが一番良い。



0 件のコメント:

コメントを投稿